昭和27年03月29日 衆議院 本会議

[074]
改進党 山本利壽
次に、不法入国者は断固取締りを厳にし、その本国に送還すべきものでありまして、昭和27年度において、政府は1億6000万円という多額の費用をこのために計上いたしておるのであります。

しかしながら、朝鮮に最も近い対馬、あるいは全国各地よりの強制送還者を一時受入れている長崎県大村の収容所等に行ってみれば、強制送還された人間が幾回も繰返し不法入国している事実を見るのであります。不法入国した者を捕え、各地で収容保護し、これを大村収容所へ移し、長きは数箇月にわたって保護を加え、数100人となったとき、これを一団として釜山へ送還するのであるが、その手数と費用とはおびただしいものであります。しかも、韓国における受入れ態勢の不備と責任観念の欠如からか、同一人間により幾回も不法入国が繰返されるとすれば、これはわが国民のとうてい耐え得るところではありません。

政府は、よろしくこの点に関し、相手国政府に厳重抗議し、場合によってはその費用の分担を要求すべきであると私は考えます。