昭和33年02月17日 衆議院 予算委員会第一分科会

[047]
日本社会党(社会民主党) 石野久男
この問題は、あとでいま一度触れたいと思っております。ここで1つ外務大臣に聞いておきたいのは、2月15日までに、大村収容所と釜山収容所にいる日韓の抑留された者の交換を、相互釈放するという方針を、昨年の暮れに約束なさった、こういうように聞いておりますが、それは事実ですか。

[048]
外務大臣 藤山愛一郎
事実でございます。

[049]
日本社会党(社会民主党) 石野久男
その後、その約束に従っての仕事は、どういうふうに進んでおりますか。

[050]
外務大臣 藤山愛一郎
アジア局長から説明させます。

[051]
政府委員(外務事務官(アジア局長)) 板垣修
本年の1月の初めから、この実施につきまして、日韓連絡会議でいろいろと協議をした結果、大村におりまする韓国人の国内釈放につきましては全部完了いたしました。釜山におります日本人の漁夫の帰還につきましては、御承知のように、第1船で300名が無事日本に帰りました。

なお大村等におりまする不法入国者の韓国送還の問題につきましても、第1次船約200名が20日に出ることになっております。

その後、日本人の漁夫の送還問題につきましては、第2船以下がまだとだえておるわけでありまするが、これにつきましては、不法入国者の送還等に関しまするいろいろな実施上の点で、多少問題が残っておりますので、ただいま韓国側の主席代表でありまする柳公使が本国に帰って打ち合せ中でございますので、これが帰って参りましたら、なお打開が進むものと私どもは期待しております。

[052]
日本社会党(社会民主党) 石野久男
釜山収容所におる日本人の正確な数、それから大村収容所におる者の正確な数、そういうものをこの際明らかにして下さい。

[053]
政府委員(外務事務官(アジア局長)) 板垣修
釜山におります日本人の漁夫は、全部で952名であります。そのうち29名のまだ刑を了しない者が釜山に残っておりますが、922名が刑を了した者でありまして、これが日本に送還されることになっております。なお残りの29名につきましては、一応昨年末の協定の範囲外でありますので、これも随時刑が終り次第日本に帰るということになっております。

なお大村等におりまする不法入国者等の全員は1260名になっております。

[054]
日本社会党(社会民主党) 石野久男
この1260名と、それから951名ですか、この1951名の中で、今までに相互釈放で帰ったり、あるいは向うの国内釈放した人間を、もう一ぺんはっきり言って下さい。

[055]
政府委員(外務事務官(アジア局長)) 板垣修
釜山におります日本人漁夫で、帰って参りましたものが300、それから不法入国者で韓国に送還されるべき者の予定が第1次250名の予定で、これは20日に帰る予定でございます。